5年前、主人公は幼馴染の珠子と未生と一緒に蜃気楼を見に出かけた。
とてもきれいで言葉では表せない景色だった。3人のとっておきの思い出。…しかし、その1週間後、未生が猫を助けようとして他界。以来、蜃気楼を見ることはなかった。
珠子と一緒に通学中、蜃気楼を見た。本当に偶然だった。やはり綺麗なものだと思っていたが、次第に濃霧が発生し前も見えぬ状態。気象学上の矛盾といった疑問も頭の隅に、珠子の手を引き前へ進んでいく主人公。気が付けば珠子の姿が見当たらない。今手を繋いでいるのは亡くなっているはずの未生だった。この状況に驚く主人公。知人にに話をしても何食わぬ顔。逆に、一緒に通学していたはずの珠子が亡くなっている様子。アルバムを見ても、覚えのない写真が並んでいる。これは一体…、見慣れた風景繰り返される日々。だが、何かが違う。
そして主人公は一つの結論に辿り着く。“ココは、今までいた世界とは違う世界なのではないか”と。
本作の舞台、パラレルワールドとは、全く同じ時間軸に存在するちょっと違う二つの世界。“もし〜”と考えたことが実際に起こっていたら…。
・死んだはずのあの子が、なぜか死んでいなかったり
・一人っ子なはずの自分に、血の繋がらない姉(妹)が出来ていたり…
「この世界とほんの少しだけ、でも確実に違う世界」なのだ。
その世界で“もし”自分の好きな人との関係を改めて確かめる機会が与えられたら…?
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真鍋 新一(まなべしんいち)
- 主人公。
メガネ。すぐにぶっ倒れる病弱っ子。
腕っ節は大変弱いが喧嘩は負けない。なぜって絶対引かないから。
なんだかんだで面倒見が良い。
いきおい、周囲の性格破綻者達の面倒をまとめて見ている恰好。
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深町 未生(ふかまちみお)
- デコメガネ。主人公よりもひとつ年上。
珠子と主人公の幼なじみ。
主人公の亡き母親の代わり(のつもり)。
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藤臣 珠子(ふじおみたまこ)
- 未生と主人公の幼なじみ
『たま』と猫みたいな愛称で呼ばれがち。
時代劇好き。抱きつき癖あり。
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三雲 千秋(みくもちあき)
- 未生の友達。メガネフェチ。薙刀部所属。
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菅 まゆり(すがまゆり)
- 主人公の4つ年下。
主人公の友人、菅圭一郎の妹。
クラス委員長の優等生。主人公に好意あり。
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草上 梓(くさかみあずさ)
- 千秋の母親。主人公の父親(作家)の担当編集者。
キャリアウーマン。ヘヴィスモーカー。
仕事の時だけメガネを使用。普段は裸眼。
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深町 美潮(ふかまちみしお)
- 娘によく似たお母さん。
手料理を他人に振る舞うのが好き。
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川又 唯(かわまたゆい)
- 新一の友人。
スキンヘッドにグラサン。側頭部にはタトゥーあり。
そんないかつい風体に似合わず非常に穏和で詩を愛する。
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菅 圭一郎(すがけいいちろう)
- 新一の友人。
男前。優等生。でも女性恐怖症。
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真鍋 徹(まなべ てつ)
- 新一の父。
作家。
本業は純文学。
だけどそれでは食えないため官能小説も手がける。
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