日本海に浮かぶ孤島、因峨島。
そして、その島に古くから伝承されたという、奇怪なマツリ「秘女一夜」・・・
物語の舞台は日本海に浮かぶ、とある島。
この島の旧家の血筋を引く男子として、ある日主人公は、初めてこの島を訪れる。
両親は主人公が幼少の時に、この島を出て東京へ去った。そして全く故郷とは没交渉のまま、まず父が没し、そして母も数年前前に亡くなったのである。だが今、主人公(中司 圭一)は一通の手紙(召喚状)を携え、まだ見たこともない故郷の地を踏むことになった。すべての始まりは、大司 婢之女(おおつかさ・ひのめ)という聞き慣れない宛名で送られてきた一通の手紙…「秘女一夜の祭りへの招聘」だった。
圭一には、一人の義妹がいた。東司保奈実。圭一と同じ因峨島故郷に持つ少女。主人公とは遠い血で繋がった彼女と圭一は、実の兄妹のように幼い頃から暮らしてきた。だが、なぜ彼女もまた、故郷である因峨島を捨てて圭一の家族と暮らすこととなったのか、その理由はよく分からない。生前に母は、何も語ってくれなかったのだから。
保奈実は、故郷からの手紙を受け取った時、あきらかに何かを予感していた。だが、それを圭一に語ってはくれなかった。
「何も心配いらないから、こんなおかしな手紙、ムシすればいいのよ!」
そう笑い飛ばしていた保奈実…。彼女は明らかに、何かを隠していた。
・・・だが、それから程なくして・・・保奈実は、忽然と消えた。
彼女が消えた先は、因峨島をおいて他にない。
意を決して、圭一は島へと渡ることとなる。
もちろん、保奈実を…義妹を取り戻すために!