ありふれた日常から突然つきつけられた現実。
廃校という小さな極限状況の中で起こるそれぞれの出来事・・・・。
『廃校』
いま、一つの『時』が終わりを告げようとしている。限られた『時間』の中で綴られる物語。
特別なことではなかった。そこには今の自分の大切なもの全てがあった。でも、それは当然のことだった。当たり前のことだと思っていた。
『失って、初めてわかることもある』
陳腐な言葉。ありふれた言葉。でも、それは今の自分には真実だった。
だから、今の時を大切にしたい。自分のまわりにいる人達すべてを大切にしたい。その『時』を迎えるまでのしばしの猶予。
大切な人と一緒にいられる時間。失うものの中で失わないものを求めて・・・・・・。
それが、あると信じられるほど、自分はまだ無邪気だった。