君がしあわせから外れたとき、僕たちはループする。
ここではないどこか、今ではないいつか。 記憶を失った状態で目覚めた少年、平柏陽希。
同じ境遇の少女・ユイカと出会い、彼らはある秘密を共有することになる。
直後、再び意識を失う2人。
目覚めた先は、数日前に戻った世界だった。
高い壁に囲まれた学園地区、特殊な能力を持つ少年少女、陽希とユイカに課せられる義務。
次々に起こる状況に困惑しながらも、学園生活へ順応していく。
しばらくの後、彼らは行動を開始する。秘密を共有する協力者として。
そして、陽希の”しあわせ”と世界のループが直結していることを知る。
彼らはなぜ記憶を失ってしまったのか、
世界はなぜループしているのか、
そして――しあわせはどこにあるのか。
コミックマーケット88発行
■カナリア
特殊な力を持つ存在のこと。
どのような効果を発揮するかは各人で大きく異なるが、運動神経等は平均的に普通の人間より向上している。
能力の大小によってステージ1〜6に分けられている。
能力が生まれる要因や、その限界など、詳しいことはまだ分かっていない。
カナリアであるという判定が出ても、能力が発現しない人間も稀にいる。
カナリアという名称は、力を発揮する際に両目が「カナリアの羽のような黄色」に変色することから付けられた。
■スクラッチ
カナリアの能力の別名。
海汐学園生の第一目標は、これを制御できるようになる事となっている。
「カナリア(鳥)の力」ということから、引っかき傷という意味で付けられた。
■海汐学園
カナリアたちを集めた学園。
使い方によっては危険になりかねない能力を、自力で制御できるようにするための学園。
そのため、特殊な講義が多い。
■海汐地区
海汐学園と、その周辺に広がる街を合わせた名称。
住宅街、繁華街を内包し、1つの都市として成り立っている。
特殊な学園ということから、周辺が高い壁に覆われている。
学園外に出るためには特別な申請が必要である上、滅多なことでは許可がおりない。
■塔
学園地区にある管理部。
カナリアたちの能力を調べる研究施設でもある。
外から見ると塔のような円柱型をしているため、学園生からはこのように呼ばれている。
■課外講義
陽希たちステージ上位の学園生に課せられる講義。
下位の者よりも必要な知識などが多いため、設けられている。
陽希とユイカには、他の学園生とは異なる義務が課せられているようだが……?