それは 閉ざされた彼女たちの世界に「嵐」が侵入した はじまりの夜でした。
これは、『いま』 よりほんの少しだけ未来のお話。
サイボーグやアンドロイドというSFの世界のモノが少しだけ身近になってきた頃に、何故か竜とか狼男とか、全然SFらしくない変な噂が世間を賑わし始めました。
そんな時、一人の少女がひっそりと、知らない誰かにメールをしました。
誰に届くかも分からないメール。そこにはこう書かれていました。
たった一言 『Save Our Ship』 と。
けれど、不思議なことにその一通のメールは、確かに何処かに届いたようなのです。
ここは、世界でも有名な 研究学園環境都市・ツクバ。
巨大な摩天楼とお金を掛けて作られた綺麗で整理された町並みのすぐ側に、緑濃い畑や牧場がまだたくさん残っている──そんな街。
そのツクバの郊外の小さなお屋敷に、両親を亡くした二人の姉妹が住んでいました。
あるひどい嵐の夜、一人の男がその家のドアを叩きました。
彼の正体は? そして彼は何故、晴れでも曇りでも傘を離さないのでしょうか?
今日もまた、見えない流星雨が宙から降り注いでいます。
大きな傘の下で、彼と彼女たちは本当の家族になっていくことが出来るのでしょうか。
これは、無理矢理に 『家族』 という枠にはめ込まれた彼等が、やがて本当の 『家族』 になっていく──そんなお話です。
もちろん、結末はまだ決まっていませんが。
そして、彼女が打ったメールにはこんな返事が届いていました。
『wilco』
物語の幕開けです。
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谷田部 乃愛 (やたべ のあ) CV:鮎川ひなた
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ツクバ有数の大企業 『シャムロック・グループ』 会長・谷田部 幽谷(やたべ ゆうこく)の孫娘にして、お団子ヘアがトレードマークの学園のアイドル。
容姿端麗頭脳明晰スポーツ万能のスーパー女学生。
お高く止まらず友達思いでもあり、服装などの趣味も抜群、およそ欠点らしいところが見当たらない。
が、しかし実際は色々なところが凄まじく不器用である。
特にファッションセンスは壊滅的で、マネジメントとコーディネートが大好きな彼女の親友である武田レイチェルのお陰で周囲にそれを気付かれずに済んでいる。
非常に妹思いだが、心を閉ざしがちな美海に対してどう接していいか分からず、主人公がやってくるまではその行動の大半が空回りしていた。
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谷田部 美海 (やたべ みう) CV:大波こなみ
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ボサボサ頭のショートヘアにいつもヘッドフォンをつけた乃愛の妹。しかし二人の学年は一緒である。
いつも皆に取り囲まれている姉の乃愛とは正反対で、友達も少なくいつも窓の外を見ている。
他人と深く関わることを極端に避けているような気配があり、その理由は両親が死亡した飛行機事故に彼女が居合わせたことと無関係ではないようである。
田丸優芽の園芸部に所属しており、よく独りで日向ぼっこをしている。
園芸植物に興味がある訳ではなさそうだが、温室にいるのが好きらしい。
何故か初対面の主人公に対しては全く警戒せず、側に居ようとする。
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谷田部 シャム (やたべ しゃむ) CV:守田羽糸
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谷田部家の少年執事。
家令的立場の人間で、少年ながら家計を取り仕切り家事以外の一切の場で完璧な仕事ぶりを誇っている。
谷田部の姓であるが養子。
いわゆる天才であり将来は 『シャムロック・グループ』 のエリート幹部への道が決まっていると言われている。
極めてクールであり、家族間、姉妹間の問題には基本的に介入せず、主人公たちに対してもまるで大人のような口をきく。
屋敷の地下にプライベートルームがあり、そこには絶対に誰も入れない。
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藤田 のどか (ふじた のどか) CV:理多
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主人公の従姉妹で、まるで小次郎の後を追うように転校生という形でやって来て谷田部家の使用人兼学生となる。
明るく気だてがよく、料理・洗濯・掃除など一通りの家事を完璧にこなす。
そのため、家事能力に欠けた人間の集まりであった谷田部家で○い発言権を持ち、面倒見役として君臨することになる。
家事の中でも特に料理が得意で、包丁捌きは神技のレベルと周囲に言わしめた。
幼い頃小次郎と出会っており仲も良かったらしいが、不思議なことに小次郎は何も覚えていない。
そのためか、最初から小次郎に好意を抱きあれこれと絡んでくる。
ただ一つ彼女について不思議なのは、それ程までに華麗な包丁さばきを見せ、怪我の気配もないのに何故かいつも手に包帯を巻いていることである。
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武田 レイチェル (たけだ れいちぇる) CV:風音
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父がアメリカ人、母が日本人のハーフの帰国子女であり、谷田部乃愛の親友。
乃愛のファンであり、実は色々欠点のある乃愛を 『パーフェクトなアイドル』 に演出することを生き甲斐にしている。
レイチェルと呼ばれるのをひどく嫌っており、周囲の人間たちにはレイ、もしくはレイちゃんと呼ばせている。
そして表には見せていないが大の男嫌い。
全く勉○をしているようには見えないのに、常に学年で上位3位の成績を修めている。
本人も勉○というものをしたことがないと言い切っているが、それは彼女の両親が天才的頭脳を持つ研究員であり、『写真記憶』 という珍しい能力の持ち主を備えたサラブレッドだからである。
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竹内 桃太郎 (たけうち ももたろう) CV:鷹取玲
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転校してきた小次郎に気さくに話しかけてくる同級生。
山国兵武(やまぐに ひょうぶ)の幼なじみで、ツクバ近郊の酪農家・竹内牧場の息子である。
お調子者だが根は素直で心優しく純朴。
本人的には勉○嫌いで、この学園に何故入ることが出来たのか自分でもよく分からないというのが口癖。
田丸優芽のファンを自称する。
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山国 兵武 (やまぐに ひょうぶ) CV:魁皇楽
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小次郎の友人。
美形で会話上手なため、女生徒から人気が高い。
女の子を見たら口説かなければならないと思い込んでおり、小次郎や桃太郎を同好の士にしようと、よくそそのかしてくる。
ただし男同士の会話の時は本性が出るのか、エロトークが炸裂する。
故に彼をよく知る女性陣からは当然ながら敬遠されており、双方の両親が同じ企業に勤めているレイチェルにいたっては毛虫の如く兵部を嫌っている。
成績は常に赤点ギリギリだが、何故かおよそ言語と名の付くものに関してだけは乾いたスポンジが水を吸収するように習得してしまう不思議な能力を持っている。
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田丸 優芽 (たまる ゆめ) CV:星咲イリア
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古文教師で園芸部の顧問。
教師、生徒を問わず男子生徒のファン多し。
いわゆる天然系であり、誰もが眼を奪われる肢体の美女であるにもかかわらず、泥だらけの園芸スタイルで校内をうろうろしている。
担当は古文だが、生物方面の知識は凄まじい。実は複数の博士号を持っている超才媛。
竹内牧場と縁があるらしく、系列企業の特許の大半は彼女が学生時代に取得し提供したものである。
また谷田部乃愛、美海の両親とも知り合いだったらしい。
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主人公 藤田 小次郎 (ふじた こじろう)
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『S研ツクバセンター・人工知能研究所』 の藤田雄一(ふじた ゆういち)博士の甥で、谷田部姉妹の遠縁でもある。
武田レイチェル曰く、「黙っていればクールで格好良い長身のハンサム、ただし黙っていれば」
中身は朴念仁で 『あたたかで牧歌的な家族生活』 に恐ろしい程のこだわりがあり、周りの人間たちにもそれを○○する。
ただし本人の家事能力は最低である。
身内と見なせば相手が誰であろうと守る男気?の○い人間であるが、どんな天気だろうと外出時には傘を持ち歩き、何故か右手だけ手袋をはめるという妙な癖がある。
彼がツクバ郊外の谷田部姉妹が住む屋敷に、住み込みの使用人兼学生という形でやって来て勝手に 『家族』 を宣言したことから、物語はスタートする。
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